名詞にも性がある?
みなさんは、「名詞に男性と女性がある言語」があると聞いて、びっくりしたことはありませんか?
英語や日本語では、「本」や「机」に男も女もありませんよね。でも、フランス語やスペイン語、ドイツ語などでは、なんと名詞一つひとつに「男性」か「女性」(そしてドイツ語では中性まで!)が決まっているのです。
たとえばフランス語では、テーブルは女性、そして本は男性です。でも、「テーブルが女性なのはなぜ?」と聞かれても、はっきりした理由はありません。実はこれ、意味とはあまり関係がなく、主に歴史や言葉の形によって決まってきたものなのです。
日本語や英語ではそんなことを考えなくてよいので、非常に楽です。助かります。私は大学のときにドイツ語を取りましたが、1年間習ったことをあまり覚えていません。よく単位を取れたなと思います。ですので、これから書くのは、すべて調べたことです。私の経験に基づいたものではありません。ではなぜこんなことを書くのかというと、「日本語や英語は楽なんだよ、これで大変だと言っていたら他の言語はもっと大変だよ」ということを感じてもらいたいからです。
では、名詞が男性・女性に分かれていると、何が大変なのでしょうか。それは、その前後の語まで影響を受けるということです。
まず「冠詞」です。英語の the や a にあたる言葉ですが、フランス語では男性なら le、女性なら la を使います。たとえば、本は男性なので le livre、テーブルは女性なので la table になるそうです。
次に「形容詞」です。これは「大きい」「きれいな」などの言葉ですが、これも名詞に合わせて変わります。たとえば、「背が高い男の子」は un garçon grand、「背が高い女の子」は une fille grande となり、最後に e がついて形が変わります。
さらに「代名詞」も変わります。英語でいう he と she のように、男性なら il、女性なら elle を使います。
では「動詞」はどうでしょうか。ここが少し安心できるところです。調べてみると、多くの言語では、動詞は男性か女性かでは変わらず、「誰がするか(I, you, he など)」で変わるようです。たとえば「彼は食べる」も「彼女は食べる」も、フランス語ではどちらも mange で同じ形ということです。
ただし、過去のことを言うときなどには、少し変化することもあるようです。たとえば「彼は行った」は allé、「彼女は行った」は allée となり、女性のときには e がつくのです。
では、新しい言葉ができたときはどうなるのでしょうか。たとえば「コンピューター」のような新しい言葉です。これも誰かが会議で決めるわけではありません。
まず一つ目のヒントは「語尾」です。スペイン語では、-oで終わる言葉は男性、-aで終わる言葉は女性になることが多いので、新しい言葉もそのルールに合わせて決まることがあるそうです。
二つ目は「もともとの言葉」です。たとえばフランス語の「メール」は、もともと似た意味の単語が男性だったので、それに引っ張られて男性になります。
三つ目は「仲間」です。同じグループの言葉は、同じ性になる傾向があります。たとえば、ある言語では「車」は女性になることが多い、というような感じです。
そして最後に一番大事なのが、「人々の使い方」です。みんなが使っているうちに、「なんとなくこれでいいよね」と決まり、それが広がっていきます。そして、あとから辞書に載るそうです。
つまり、言葉は先生やえらい人が決めるのではなく、みんなで少しずつ作っていくものなのです。
こう考えると、言語はまるで生き物のようですね。変化しながら、少しずつ形を作っていくのです。
英語にはこうした名詞の性がほとんどありません。だから、実はとてもシンプルで学びやすい言語なのです。
もしみなさんがこれから外国語を学ぶとき、「どうして女性なの?」と考えすぎなくても大丈夫です。大切なのは、「これはこういうものなんだ」と楽しく覚えていくことです。
言葉の世界には、まだまだ面白いルールがたくさんあります。みなさんもぜひ、その不思議を楽しんでみてください。
