Tigers, Giants, でなぜ Carps ではなく Carp なの?
単数形と複数形が同じ?英語の不思議な名詞たち
「私は1匹の羊を飼っている」――英語では何と言うでしょうか?
そうですね、“I have a sheep.” です。
では、「私は多くの羊を飼っている」は?
“I have many sheep.” となります。
ここでふと、気づくことがありますね。sheep という単語、単数も複数もまったく同じ形なのです。a sheep も many sheep も、見た目が変わらない。これは英語に慣れない日本語話者にとって、少し不思議に感じられるかもしれません。
実は、英語にはこのように単数形と複数形が同じ形をとる名詞がいくつか存在します。今回は、その中でも特に興味深い例をいくつか紹介しましょう。
動物名に多い「単複同形」の名詞
奈良公園でよく見かける deer(鹿)もその一つです。
「1匹の鹿」は a deer、「たくさんの鹿」は many deer。これも形が変わりません。
私には忘れられない記憶があります。大学で知り合ったイギリス人の Chris に「奈良公園に行ったら鹿にたくさん会えるよ」と言う意味で、You can see a lot of deers if you go to Nara Park.と言ったんです。すると Chris は「ケイ(私の呼び名)、deer は many でも deer だよ」と教えてくれました。私が英語に自信を持っていた大学生のときのことですが、まだこんなことに遭遇するのかとショックでした。
ところで Chris は今は、GiftMeJapan のコーチになってくれていて、そしてその人を半世紀近く前に紹介してくれたのは、今 GiftMeJapan の受講生のAさんです。
話を英語の単複同形名詞に戻します。
さらに、魚の名前にも同じような特徴があります。
carp(鯉)、salmon(鮭)、trout(鱒) などがその代表です。
「carp」と聞いて、プロ野球チーム「広島東洋カープ」を思い浮かべる方もいるかもしれません。実はこのチーム名の「カープ」も、複数形としてのcarpが使われているのです。
野球チームの名前は、Tigers(虎たち) や Giants(巨人たち) のように、選手たちの集団を意味するために複数形で表現されることが一般的です。「カープ」も carp(鯉たち)で複数形なのです。
Chinese(中国人) や Japanese(日本人) のように、国籍を表す名詞も単数・複数で同じ形をとります。たとえば、
Many Japanese like to take a bath every day.
(多くの日本人は毎日お風呂に入るのが好きです)
というように、Japanese 単体で「日本人」という意味になります。
ただし、実際の英語表現では Japanese people と言うことが多く、その方がより明確に「日本の人々」というニュアンスを伝えられます。
意外と知らない「-s付きの単複同形」語尾が -s でも単数!?
もう一つ、面白いタイプがあります。見た目が -s で終わるのに、単数でも複数でも同じ形を使う名詞です。
たとえば、means(手段)という単語。
「私にはその問題を解決する手段が1つある」は、
I have a means to solve the problem.
と表現されます。一方、「多くの手段がある」と言いたい場合も、
I have many means to solve the problem. です。
このように、means という形のまま、単数・複数の両方に使われるのです。
「species」の例もあげておきます。
英語の授業などで、
“This is a new species of bird.”
という文を見たとき、「species って語尾に -s がついてるから複数形じゃないの?」と疑問に思ったことはありませんか?
でも実は、species も 単数・複数で同じ形なのです。
つまり、a species(1種) も many species(多くの種) も、形は変わりません。
この事実は、日本語話者にとって、ちょっとした衝撃かもしれません。
このように、英語には「見た目だけでは数の区別がつかない名詞」が意外と多くあります。最初は戸惑うかもしれませんが、例を通して理解していけば、自然と使いこなせるようになります。こうした小さな“驚き”も、英語学習の醍醐味の一つですね。
