at Itami と in Itami
英語の前置詞 at と in は、日本語話者にとって非常に分かりにくい表現の一つです。その理由の一つは、日本語の「〜で」という一語が、英語では複数の前置詞に分かれているからです。
たとえば日本語では、「伊丹で降りた」「伊丹で暮らしている」という表現も同じ「伊丹で」で済みますが、英語では at Itami と in Itami を使い分ける必要があります。
この違いを理解するための鍵は、場所の大きさそのものではなく、話し手がその場所をどのように捉えているかという視点にあります。
まず at Itami は、伊丹を「点」や「特定の場所」として捉える場合に使われます。
典型的なのは、伊丹空港や伊丹駅のように、移動の到着点や待ち合わせ場所として意識される場面です。
相手が電話で、I am at Itami. と言えば、「今、伊丹空港(または駅)にいるよ」という意味です。それに対して I am in Itami. と言えば、「今、伊丹市にいるよ」という意味になります。
I am at Itami. の文では、実際には Itami Airport や Itami Station が省略されており、伊丹という地名が「一つの地点」として扱われています。
一方で I am in Itami は、伊丹を「街」や「地域」として捉える場合に用いられます。I am in Itami City. ということです。
伊丹市という広がりのある空間の中に「含まれている」という感覚が前面に出ます。
これは、I arrived at Itami. と I arrived in Itami. の違いにも当てはまります。at だと、目的地の空港や駅に到着したことになりますし、I arrived in Itami. と言えば、「伊丹市に入ったよ」という感じになります。
つま at と in の違いは、単に物理的な大きさの違いではないです。
次の例で見るとそのことが分かりやすいです。
I bought this in that store と I bought this at that store は、どちらも正しい文ですが、in は「その店の中で買った」という行為や空間に焦点があり、一方 at は「その店で買った」という場所の特定を強調します。
英語の前置詞は、言い手がどこに焦点を当てているのかを示す、非常に繊細な言語の仕組みだと言えます。
