英語学習とトレーニング理論
英語学習とトレーニング理論――最適な負荷(教材)の重要性
大学時代、いくつかの選択科目を取りましたが、その中で最も役立ったのが「体育理論」でした。この授業では主に「トレーニング理論」を扱いました。
大講義室で行われるのですが、数回目の授業で講堂はガラガラになってきました。私はどうして皆が興味を持たないのか分かりませんでした。
私はスポーツが苦手なんですが、中学3年のとき、毎日練習したら、長距離走でクラスで2番目になって驚いたことがありました。驚いたのは私より周囲の友達でした。「いつもクラスでベッタの早川が!」という感じです。それ以降、私はスポーツでも勉強でもトレーニングということに興味を持つようになりました。それが大学での選択科目の判断に結びつきました。
ガラガラの講堂の最前列でいつも授業を聴いていたので、授業後その講師の先生とお話しできる機会がありました。そのとき、中学のときの話をしたら、非常に興味を持って聴いてくださいました。「今でも毎日、(京都の)宝ヶ池の周囲を走って記録をつけています」と言うと、「私の理論を取り入れて実験してみて、その結果を聞かせてもらえますか」とおっしゃっていました。ただ、その後、報告した記憶はありませんから、報告できるほどのものはなかったのかもしれません。
しかし、おかげで、社会人になってからも「明日香ハーフマラソン」とか「淀川市民マラソン」とかに出る動機にはなりました。
さて、英語学習にもトレーニング理論を応用することで、より効果的かつ持続的な成長を目指すことができるのです。
筋肉を鍛える上で基本となるのが「過負荷の原則」です。これは、自分の現在の能力よりも少しだけ上の負荷をかけることで、筋肉に刺激を与え、成長を促すという考え方です。英語学習にも同様のアプローチが求められます。たとえば、自分が100%理解できる教材ばかりを使っていては、脳は刺激を受けず、語彙力や文法理解は伸びません。ときには少し難しいと感じる英文を読む、聞く、話すという「挑戦的な負荷」が脳に適切な刺激を与え、語学力の向上につながるのです。
一方で、いくら強い負荷をかけても、十分な回復期間がなければ筋肉は成長せず、むしろ疲労が蓄積して逆効果になることがあります。これが「超回復理論」です。同様に、英語学習でも連日の詰め込みや過度な演習は、かえって記憶の定着を妨げ、学習意欲を損なう危険性があります。学習した内容は一晩寝て整理され、翌日の軽い復習によって定着が進みます。これは脳にとっての「回復期」にあたる時間であり、知識を強化する重要なプロセスです。
結局のところ、英語力を伸ばすためには、「攻め」と「休み」のバランスを取ることが鍵です。筋トレと同じように、日々少しずつ自分の限界に挑戦しながらも、適切なタイミングで振り返り、休息を取り入れることで、脳も鍛えられていきます。自分にとっての最適な学習強度を見極め、無理のない範囲で継続すること。それが、長期的に見て最も効果的な英語学習法だといえるでしょう。
英語を学ぶとは、言語という「知的筋肉」を育てるようなものです。そのためには、しっかり負荷をかけ、丁寧に回復をさせながら、毎日の積み重ねを楽しんでいくことが何より大切だと思っています。
