長い旅 ― 森のゲルマン語から世界の言葉へ

今回から数回、英語を歴史的観点からお話しします。先ず1回目は、英語の歴史区分を覚えましょう。

古英語の時代 449年〜1100年

英語の物語は、今からおよそ1500年前、西暦449年に始まります。この年は、ヨーロッパのゲルマン人の中でも、アングロ族とサクソン族、そしてジュート族が海を渡り、ブリテン島に移り住み住んだ年と言われています。

島にはすでにケルト人が住んでいましたが、彼らはアイルランド、スコットランド、ウエールズ地方へと追いやられ、ゲルマン人たちは南部に定住しました。これが古英語(Old English)の始まりです。

古英語はドイツ語に近く、語尾変化の多い複雑な言語でした。たとえば “friend” は “freond”、 “stone” は “stan” のように書かれ、今と異なる文字もたくさんあり、現代の英米人でもほとんど読めません。

中英語の時代 1100年〜1500年

1066年、英語の運命を変える事件が起こります。

フランス北西部からウィリアム征服王(William the Conqueror)が攻め込み、イングランドを征服しました。これが有名なノルマン・コンクエスト(Norman Conquest)です。以後、王や貴族はフランス語(ノルマン語)を使い、庶民は英語を話す二言語社会になります。1100年くらいまで混乱が続きます。

この時代、英語は大量のフランス語の語彙を取り込みました。

“government”, “justice”, “beauty” などの言葉がこの頃に加わったのです。

文法も単純化し、語順を重視する現在の英語の形が生まれていきました。

こうして1100年ごろから始まるのが中英語(Middle English)の時代です。この時代の英語は、教養のある英米人なら何とか読めます。ちょうど私達が、源氏物語や枕草子などの古典を読む感じです。

近代英語の時代 1500年〜1900年

1500年ごろからは近代英語(Modern English)の時代です。ルネサンスと共に始まったわけですが、イタリアより100年ほど遅れました。この時期、印刷の発明やシェイクスピアの登場により、綴りと文法が整い、母音の発音が劇的に変わる「大母音推移」も起こりました。1700年代には産業革命を経て語彙が急増しました。

現代英語の時代 1900年〜現代

1900年以降の英語を、現代英語(Present-Day English)としています。アメリカ映画やインターネットによって世界中の共通語になっていきました。

英語はゲルマンの力強さ、北欧の響き、フランスのエレガンス、そしてラテンの知性――多くの文化が混ざり合ってできた“生きた歴史”の結果です。今も世界中の、それぞれの地域で独自に発展を続けています。

英語全般

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