名詞を制する者は英語を制する

世界には数千の言語がありますが、これまでの研究で「名詞がまったく存在しない言語」は確認されていません。つまり言語の中心は名詞です。

この事実は、英語を学ぶ日本人にとって大きな示唆を含みます。なぜなら、日本語では名詞の扱いがあまりにも簡単だからです。よって、英語学習のときに「名詞を名詞として意識する」という習慣が身につきにくくなります。

日本語の名詞には冠詞がつかず、格変化もほとんどなく、男性名詞・女性名詞といった区別もありません。さらに複数形でさえ、文脈が明らかならそのまま単数と同じ形で使えてしまいます。

例えば「私は本を買った」という場合、英語では I bought a book. I bought books. I bought the book. I bought the books. の違いがあるのに、日本語ではそんなこと気にしなくていいのです。

数えられる名詞と数えられない名詞(a が付いたり、複数形のs が付かない)の区別も不要です。

ですから、英語学習では、日本語話者は名詞の扱いでつまずきやすくなります。 a/an, the の使い分け、複数形の -s、不可算名詞の概念、所有格の位置、形容詞の順序など、名詞を中心に構築されるルールがすべて “日本語にはない感覚” で成り立っているからです。

英語の難しさの多くは、実は「名詞をどう扱うか」に集約されていると言ってもよいのです。

だからこそ、日本語話者は意識的に「名詞を見る」「名詞を文の中心として捉える」という習慣を持つことが重要です。名詞を意識すれば、冠詞・複数形・前置詞・形容詞の順序など、周囲の文法が一気に見えてきます。

英語は名詞を中心に世界を切り取り、名詞の周りに情報を配置していく言語です。

名詞を制する者は英語を制す、です。

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