シュリーマン式学習法

昨日、私が指導している中学3年生の男の子が、こんなことを言いました。

「僕は歩くときにも意識的に体の一部に負荷をかけてその筋肉を鍛えています。家事を手伝うときも同じです。」

細かい方法はさておき、中学3年生でそこまで考えていることに、正直驚きました。

自分が中3の頃、そんな発想をしていただろうか──と。

そこで私は、こう言いました。

「それ、英語でもやってみたら?」

今日の話は、まさにこの言葉につながります。

テーマは、語学の天才と呼ばれた ハインリヒ・シュリーマン に学ぶ、本気の語学学習です。

シュリーマンは、ドイツ出身の実業家であり考古学者です。

彼は独学で20言語近くを身につけ、ギリシャ神話に登場するトロイア遺跡を発掘しました。

神話を歴史として証明しようとした情熱、そして何より、異常とも言える語学力で知られる人物です。

では、彼はいったいどうやって言語を習得したのでしょうか。

その学習法の核心は、

「脳に、これを覚えないと生きていけないと錯覚させるほどの負荷をかける」

という点にあります。

たとえば、

「英単語をできるだけ楽に覚えたい」

そう思うのは自然なことです。

しかし、本当に力をつけたいなら、少し逆の発想が必要です。

語学は筋トレと同じです。

軽いダンベルを持っているだけでは、筋肉はつきません。

脳も同じで、少しきつい負荷があってこそ、神経回路は変わるのです。

楽な方法は、忘れるのも早い方法です。

シュリーマンは、文章を読むとき、意味を予測しながら読むことを重視しました。

「うーん……」と考える時間。

その時間こそ、脳が一番鍛えられている瞬間なのです。

また、単語をバラバラに覚えても、実際には使えません。

大切なのは「型」です。

たとえば、

  • I believe that ~

  • One reason is that ~

  • It is important to ~

こうした表現を、そのまま使える形で丸ごと覚える。

言葉はパーツではなく、ブロックなのです。

そして、語学学習で最も重要なのが、

覚える内容を、自分の人生に接続することです。

教科書の例文を、そのまま覚えるだけでは足りません。

必ず、自分の話に変えてください。

× I play tennis.

○ I play tennis because it helps me reduce stress before exams.

自分の感情、経験、悩み、夢と結びついた瞬間、

言葉は「知識」から「自分のもの」に変わります。

間違えるのは怖い。

でも、間違えた瞬間こそが、いちばん伸びる瞬間です。

人前で話す。

音読を録音する。

すぐに人に直してもらう。

少し緊張する環境は、記憶を強くします。

安全な場所にいるだけでは、大きな成長はありません。

最後のゴールは「反射」です。

考えなくても、口から英語が出る状態。

日本語を通さず、英語がそのまま出てくる感覚です。

そのためには、正しい文章を何度も音読し、暗唱すること。

10回、20回、30回。

スポーツのフォームと同じで、正しい型を体に染み込ませるのです。

英語も、体と同じです。

本気で鍛えれば、必ず応えてくれます。

だからこそ、

歩くときに負荷をかけるように、英語にも負荷をかけてください。

それが、「できる英語」への最短ルートです。

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